和訳 グレタ・トゥーンベリ 国連気候行動サミット 演説 2019年9月23日 / Japanese Translation Greta Thunberg’s speech at UN. Climate Action Summit Sep. 23, 2019

2023-03-27

スウェーデン出身の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんを有名にした2019年9月23日の国連気候行動サミットでの演説です。

演説の中で何度も出てくる「How dare you!」というフレーズが有名になりました。

説明するまでもありませんが、グレタ・トゥーンベリさんは15歳の頃から毎週金曜日に学校を休んでスウェーデンの国会議事堂の前で気候変動への迅速な対応を求めるプラカードを掲げてきました。

その後、国連や世界経済フォーラムで演説をするなど、その若さと若者と子どもたちに気候変動の対応を期待する世界のリーダーや大人たちを痛烈に批判してきました。

その後、彼女は各方面からその活動を高く評価されてきました。
たとえば、王立スコットランド地理協会の名窯研究員(Honorary fellowship of the Royal Scottish Geographical Society)、TIME誌の世界で最も影響力ある100人(Time’s 100 most influential people)、最年少でのTime誌パーソン・オブ・ザ・イヤー(Time Person of the Year)、フォーブスの世界で最もパワフルな女性100人(the Forbes list of The World’s 100 Most Powerful Women)などに選定されたほか、2019年、2020年、2021年、2022年のノーベル平和賞の候補者に選ばれました。

さて、この有名な「How dare you!」という表現ですが、私たちは普通あまり使うことがありません。

「なんてことをしてくれたんだ」「なにさまのつもりなんだ」と人の過ちを厳しく非難する言葉です。

おそらく、使うとしても一生に一度くらいにしておきたいですよね。

このような言葉使いから彼女の演説は、世界のリーダーたち、大人たちを厳しく非難していることがわかります。

また、彼女の演説の特徴はすごく簡単な英語を使って、人の心を大きく動かすというところでしょう。

以下、和訳です。なにかの参考になれば、幸いです。

和訳 グレタ・トゥーンベリ 国連気候行動サミット 演説 2019年9月23 / Japanese Translation Greta Thunberg’s speech at UN. Climate Action Summit Sep. 23, 2019

This is all wrong.
こんなこと、全て間違っています。

I shouldn’t be up here.
私はこんなところにいるべきではないのに。

I should be back in school on the other side of the ocean.
本来ならば海の向こう側の学校に戻っていなければいけないはずなのに。

Yet you all come to us young people for hope.
でも、いまだにみなさんは 私たち若者に希望を託そうとしている。

How dare you.
何様のつもりなのですか。

You have stolen my dreams and my childhood with your empty words.
あなたたちは私の夢、私の子供時代を意味のない言葉で奪いとったのですよ。

And yet I’m one of the lucky ones.
その中でも私は幸運だったと思います。

People are suffering.
人々は苦しんでいるですよ。

People are dying,
人々が亡くなっているのですよ。

Entire ecosystems are collapsing.
全てのエコシステム(生態系)が壊れつつあるのですよ。

We are in the beginning of a mass extinction.
私たちは大量絶滅のはじまりにいるのです。

And all you can talk about is money and fairytales of eternal economic growth.
でも、あなたたちの口から出ることと言えば、お金のことと、永遠に続く経済成長というおとぎばなしばかり。

How dare you!
何様のつもりなのですか。

For more than 30 years the science has been crystal clear.
30年以上も明らかな科学的根拠があったのです。

How dare you continue to look away.
それを見ようとしなかったあなたたちは何様なのですか。

And come here saying that you are doing enough
そしてこんなところに来て我々は十分にやっているなんてことを言う。

When the politics and solutions needed are still nowhere in sight,
まだ問題を解決するための政策も解決策もまったく見えていないのに。

You say you hear us and that you understand the urgency.
あなたたちは、私たちの声はちゃんと聞こえていて、緊急性も理解しているといいます。

But no matter how sad and angry I am I don’t want to believe that.
でも、私がどれだけ悲しんでいようが、怒っていようが、そんなことを信じたくはありません。

Because if you really understood the situation and still kept on failing to act then you would be evil.
and that I refuse to believe.
なぜなら、もしも本当に状況を理解していて、それでも行動を起こすことに失敗し続けているのであれば、あなたちは悪魔であるし、そんなことを私は信じたくないからです。

The popular idea of cutting our emissions in half in 10years only gives us a 50% chance of staying below 1.5C degrees.
10年以内にCO2の排出量を半分に減らすとよく言われる考え方で、気温上昇を1.5度以下にくいとめよとしても、その可能性は50%しかありません。

ここまで

And the risk of setting off irreversible chain reactions beyond human control.
そして、そのような行動は私たちの期待に反し、かつ人間の手に負えないような連鎖を作動させてしまうリスクがあります。

50% may be acceptable to you.
あなたたちにとって50%は受け入れられる条件かもしれません。

But those numbers do not include tipping points, most feedback loops, additional warming hidden by toxic air pollution or the aspects of equity and climate justice.
しかし、この数字は転換点、フィードバックループ、大気汚染によって追加的に生じる気温の上昇、公正さや対策の公平性については考えられていないのです。

They also rely on my generation sucking hundreds of billions of tonnes of your CO2 out of the air with technologies that barely exist.
そして彼らは自分たちが放出した莫大な量のCO2を、未だ存在していない技術を使って、空気中から取り除くことを私たちに期待しているのです。

So a 50% risk is simply not acceptable to us we who have to live with the consequences.
だから50%のリスクがあるという状況は、あなたたちが作った世界で暮らしていかなければならない私たちにとっては、受け入れがたいものです。

How dare you pretend that this can be solved with just business as usual and some technical solutions.
このような問題を通常の業務と技術的に解決できるフリをしているあなたたちは何様のつもりなのですか。

With today’s emissions levels, that remaining CO2 budget will be entirely gone within less than eight and a half years.
今日のCO2の排出量であれば、今後8年半で私たちはCO2を排出できなくなってしまいます。

There will not be any solutions or plans presented in line with these figures today.
このような考え方に基づいた解決方法や計画は、未だに発表されていません。

Because these numbers are too uncomfortable.
なぜなら、これらの数字は不都合だからです。

And you are still not mature enough to tell it like it is.
そしてあなたたちはそのような状況を認められるほど大人ではないのです。

You are failing us.
あなたたちは私たちを貶めているのです。

But the young people are starting to understand your betrayal.
でも、若者たちはあなたたちの裏切りに気づきはじめています。

The eyes of all future generations are upon you.
将来世代の若者の視線はあなたたちに注がれています。

And if you choose to fail us I say we will never forgive you.
そして、もしも私たちを貶めるようなことがあれば、私たちは絶対にあなたたちを許しません。

We will not let get away with this.
私たちは、あなたたちを逃すことはしません。

Right here, right now is where we draw the line.
今この場所ではっきりさせましょう。

The world is waking up.
世界は目覚めつつあります。

And change is coming whether you like or not.
そして、変化はあなたたちが望む、望まないにかかわらずやってきます。

Thank you.
ありがとうございました。